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佐野陽子ゼミナール同窓会は、慶応義塾大学商学部「佐野陽子研究会」所属の卒業生の交流の場として発足しました。

佐野先生からのメッセージ

2010年4月4日 
文字通りのグローバル時代
消費増税の影響
 2010年3月18日、カタール国の首都ドーハで開かれたワシントン条約締結国会議で、大西洋黒マグロ禁輸案が否決された。大消費国の日本は胸をなでおろしたが、問題はこれからだろう。提案したのはバチカンに次いで世界で2番目に小さいモナコ公国。日本で以前、キャベツを毎日、オーストラリアから空輸していたという話を聞いたが、私たちはちょっと食べ過ぎではないか。それにしても今回印象的だったのは、モナコの提案が欧米主要国に結構、アピールしたこと。ワシントン条約は、地球上の人々の生活に深く関係している。
 最近、国際宇宙ステーションという言葉をよく聞く。地球軌道上に設置されているラグビー場くらいの広さの装置で、地球上から肉眼で見えるそうだ。アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、日本など15ヶ国が参加して、宇宙空間が人体にどのような影響を与えるかを実験する。日本は出資もしているし、実験棟「きぼう」に宇宙飛行士の派遣も行っている。
 さらに話題をふりまいているのが欧州原子核研究機構(CERN)。ホットな問題は、宇宙の生成を解明するための、ミニ・ブラックホールの生成実験だ。この研究機構は1954年に発足し、現在はEU20ヶ国がメンバーで、非メンバー29ヶ国のほか、ECやUNESCOもオブザーバーとして参加。日本も出資し、参加している。ここではスイスとフランスの国境をまたいで、山手線に近い大きさのトンネルを掘り、そこで3.5兆ボルトの陽子を両側に発射し、正面衝突させるという実験を2010年3月30日に行った。地球に影響を与えるという国際的反論を2年がかりで押し切ったもの。結果は理論どおり、何も起こらなかった。この機構は情報公開を丁寧に行っているが、国境を越えた協力体制と国境を越えた反対運動は目覚しい。

バナースペース

佐野陽子ゼミナール同窓会